「先週の結果分析」のコーナーです。
各競馬場の馬券圏内に来た騎手の成績を振り返ってみましょう

3月20日日曜日の結果を振り返りたいと思います


阪神競馬場の成績

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ついに復帰後初重賞制覇、福永祐一

昨年のスワンステークスで落馬負傷後、初めての重賞制覇となったのが福永祐一騎手。阪神大賞典では1番人気のシュヴァルグランに騎乗し、早めの仕掛けでも押し切る着差以上に強い内容でした。
馬の力があったとは言え、ようやくシンクロする様なコンタクトを取れるようになったのは頼もしい限り。ハイレベルの際どい勝負でどうなのかは別にして、ようやく本来のリズムが戻ってきたようです。
出遅れた分を取り戻すような活躍を期待したいところです。
 
  日曜成績=  2- 1- 0- 5/ 8   勝率25.0%  連対率37.5%  複勝率37.5% 


円熟の技が冴える!四位洋文

リーディング争いとは全く別の話ではありますが、鍛え抜かれた円熟味溢れる技を繰り出してくれたのは四位洋文騎手。前半無理せず追走し、後半一気にスパートする戦法がやはり良く似合います。
この日は勝利こそ挙げられませんでしたが、2走とも馬券圏内にしっかりと持ってくるあたりは、流石仕事人と言うべきでしょう。
昨年を上回り3割台に乗せてきた複勝率が、春シーズンへの加速を如実に表しています。力強いフォームから繰り出される、空気抵抗の少ない綺麗なフォームはやはり四位騎手ならでは。
ごく僅かな差を勝利へ引き寄せる力を、今後も存分に発揮してもらいたいものです。

  日曜成績=  0- 1- 1- 0/ 2    勝率0.0%  連対率50.0% 複勝率100.0% 



何時?どこで?発動するか、小林徹弥の不気味な活躍

買うタイミングが難しいベテラン騎手は多いですが、人気薄でいきなり激走したりと破壊力は健在だったりします。そんな中でも難易度が最高レベル?の、買い時が分かりにくい小林徹弥騎手が1Rでしっかりと激走を演出してくれました。
豪快に差してくる脚色も見事でしたし、複勝率が10%を超えるかどうかでウロウロしている場合ではないでしょう。壁を突き破る様な活躍を今後に期待したいと思います。

 
  日曜成績=  0- 1- 0- 1/ 2    勝率0.0%  連対率50.0%  複勝率50.0% 


 

本日のビグブルマン 坂井瑠星騎手

デビュー直後の新人騎手の中で、ほんの少しだけリードを奪うが如く健闘しているのが酒井瑠星騎手。新人最多の2着3回と言う数字は立派ですし、レース展開を読むのが上手なのは同期の藤田菜七子騎手と同様で、天性のセンスを遺憾なく発揮していると言えます。
アドバンテージもある分、筋力の強さを如何に鍛えて行くかという課題もあるので、まだまだポンポンと勝ち進むことは難しいのかもしれませんが、その領域にかなり近づいている奮闘ぶりは非常に目立ちます。
今後も更なる高い目標に向けて、同期がモタモタしている間に階段を一段ずつ着実に上って欲しいと思います。

   
日曜成績=  0- 1- 0- 3/ 4    勝率0.0%  連対率25.0%  複勝率25.0% 



中山競馬場の成績

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2度目の重賞制覇、A.シュタルケようやく実力を発揮

この日のメインレース・スプリングステークスで重賞2勝目を達成したのはA.シュタルケ騎手。上位人気馬に騎乗した時はクラスが上がっても実績を残してきていましたが、今日もマウントロブソンの粘り強さを存分に発揮するファインプレーが非常に印象的でした。
内枠でなかなか勝負強いA.シュタルケ騎手ですが、この日は苦手気味の5枠でもカープストリーマーを先行させて押し切る強さを見せてくれました。勢いがついてきただけに今後が楽しみな一日となりました。

  
日曜成績=  2- 0- 0- 7/ 9   勝率22.2%  連対率22.2%  複勝率22.2% 


C.ルメールも負けじ!リーディング首位を以前キープ

上位人気馬に騎乗するため、今日も馬券戦略としては美味しい部類には入れなかったC.ルメール騎手。しかし、リーディング首位をひた走る実力をまざまざと見せつけてこの日もトップの3勝を挙げてガッチリと首位を堅守。
メインのスプリングステークスも5着に敗れたとは言え、ミッキーロケットの末脚を引き出して上がり最速を掲示するなど維持は見せてくれました。まだまだこの勢いは止まりそうにありません。

  
日曜成績=  3- 0- 1- 5/ 9   勝率33.3%  連対率33.3%  複勝率44.4% 



この日はダートで、田辺裕信が2勝

ようやく昨年並みの成績まで勝率などが回復してきた田辺裕信騎手ですが、前日に重賞を制覇した勢いをそのままに中山競馬場でも大活躍。この日はダート戦での活躍が非常に目立ちました。
なかでも圧巻は7Rの500万下で、アメリカンストームを逃げ切りで勝たせた騎乗でしょう。前半をまんまとスローペースに落として、コーナーでの加速も実にスムーズな田辺騎手らしい勝ち方を見せてくれました。

  
日曜成績=   2- 0- 1- 2/ 5   勝率40.0%  連対率40.0%  複勝率60.0% 



本日のビグブルマン  井上敏樹騎手

昨年も苦戦を強いられ、今年は更に成績が振るわない井上敏樹騎手。ですが先日ようやく今年の2勝目を挙げたと思ったら、この日も馬券圏内へ粘り込むなどようやく不振から脱出してくれそうな勢いが戻ってきました。
後ろから差してくる力もありますが、やはり中団より前で競馬するスタイルで結果を出して来ているだけに、前半から主導権を握りに行く強い意志が、今年の成績を大きく左右しそうです。

  
日曜成績=  0- 0- 1- 3/ 4    勝率0.0%   連対率0.0%  複勝率25.0% 

 


CS放送のプロ野球ニュースじゃありませんが、「play of the day」の発表です
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そして、本日のPlay of the Day(ベストプレー賞)は

 阪神5R(3歳未勝利) 1着 ②ラスイエットロス 和田竜二騎手


時折勝利を荒稼ぎする事はありますが、この日は3勝と上位騎手にも遜色無い大活躍。
前で競馬をしっかりと行ったレースも多く、何より勝利に向かって貪欲に追ってくる姿勢を含めて、今後の更なる活躍を願ってベストプレー選出です。

以前に比べて馬の首や頭を、より前に・より下へ押し込んで行くフォームを見せていた5Rの未勝利勝ち。距離が短いよりは長い方が和田騎手本来の持ち味が出るのかもしれませんが、馬の動きとしっかりリンクする様な追い動作が出来るのであれば、今年は昨年よりもう少し勝ち星を積み上げられるはずです。
より多くの若手や競馬学校の騎手過程で学ぶ生徒、これから騎手を目指そうとする人達にとっても、「どうやって馬を追えば良いのか」に対する答えは、馬のタイプによって千差万別だと言えます。ですが、首の角度が寝ている様な馬には、こんな風な追い方もあると言うのを知ってもらういい機会だと思います。