根岸ステークス 2016のデータ分析・特別版です。

今回は梢重で行われるのですが、ルメール騎手は実際のところダートの重馬場でどうなんだ?と言う素朴な疑問があったもので、重賞に騎乗する機会にそのあたりを分析しておこうと思いました。

つまりは「騎手だけの要素として印が打てるのかどうか?」と言うところに少し切り込んでみます。

C.ルメールの通算成績を見てみよう


まず、ルメール騎手の成績をご覧戴きたいと思います(データは2016.01.30終了時)
C.ルメールダート


ルメール騎手は東京や札幌では芝よりも成績が良い傾向があります。
また、ジャパンカップダートではカネヒキリ・ベルシャザールで勝つなど、ダートでの成績も優秀な部類に入ると思います。
昨年もノンコノユメで不良馬場のジャパンダートダービーを勝ち、チャンピオンカップでも2着に持ってきており、ダート重賞での成績は目立っていると言って良い筈です。


C.ルメールの特徴を把握する

馬場がどうかは別にして、C.ルメール騎手の成績に特徴がありそうなので調べてみました。
以降は2016.01.30開催前のデータを基に算出しています。

着別度数勝率連対率複勝率単勝回収値複勝回収値
全体154-146-130-731/116113.30%25.80%37.00%6585

1000レース以上乗っていますから、これでベタ買いでも儲かるとしたら大変な事です。
それでも4回に1回は連対していて、3回に1回は馬券圏内に来ていると言うのはかなりの高水準。芝がより1%少々落ちるぐらいですから他の騎手にも見られるようなごく普通の傾向だと言えます

結論:ダートは得意でも苦手でも無い



馬場状態別に成績を比較する

では、この企画の本題に移ります。ズバリ重馬場や不良馬場は得意なのか?
通算成績を「良馬場」「梢重馬場」「重馬場」「不良馬場」で分類してみました。
短期免許で乗ってきた時期を含め、中央のみの成績を通算してみます。
着別度数勝率連対率複勝率単勝回収値複勝回収値
良馬場101-88-72-432/69314.60%27.30%37.70%7380
梢重馬場35-35-29-147/24614.20%28.50%40.20%5477
重馬場12-12-18-81/1239.80%19.50%34.10%52110
不良馬場6-11-11-71/996.10%17.20%28.30%54107

不良馬場のサンプル数が少ないのですが、予想していた以上に馬場が渋れば渋る程、C.ルメール騎手は勝率が落ちています。
その代わりに複勝回収率が上がっているため、決して不得意と言う訳ではないはずです。馬場水分が多くなると、「1着ではなくて2着とか3着が多くなる=勝ち切れなくなる」だけの話で、むしろ人気があまりない馬でもしっかりと走らせる傾向が出てくるようです。

結論:超一流ではないけど、一流のダート重馬場巧者である


具体的な成績の違いを比較する

重馬場になったから・・・と言ってもマイナスにはならないのが解かりましたので、どう言う風に馬券戦略に役立てるかの方針と言いますか・・・データからこんな風に買えるのでは?と言う仮説を立ててみたいと思います

勝率2着率3着率
全体13.30%12.60%11.20%
良馬場14.60%12.70%10.40%
梢重馬場14.20%14.20%11.80%
重馬場9.80%9.80%14.60%
不良馬場6.10%11.10%11.10%

全体成績を上回っているのが良馬場と、梢重馬場の成績。
騎乗馬の調子や適性を無視しての数字ではありますが、調子が良くダート適性がある場合を前提で仮説を立ててみます。

良馬場と梢重馬場では、比較的「1着ながし」や「2着ながし」などを狙っていける条件です
「馬連」や「枠連」の軸としても有効だと思います。人気馬に乗る事が多いので、相手は手広く買わずに少し絞れるとしたら、回収率の面でも良いと言えます。

また、重馬場では3着率が一気にアップしますので、「3着ながし」と言う、かなりマニアックな作戦も発動可能かと思います。もちろん、「複勝で勝負」とか「ワイドで狙う」と言う作戦も良いかと思います。
多少人気薄でも持ってくる可能性があるので、伸びきれない能力が開花しそう!と思えるケースは人気に関わらず重い印を打ってみると言うスタンスも有効かもしれませんね。

結論:良と梢重は人気サイド、重や不良は3着狙い

また、馬の実力を測る点でもC.ルメール騎手がダートで騎乗する際に、重馬場や不良馬場で勝利すると言う事は、そのクラスでは能力が抜けている証明にもなるかと思います。

今月の東京開催で更なる活躍を期待したいと思います。

本日の根岸ステークスは梢重馬場で行う事になりそうなので、馬のスピードを生かして2着候補に抜擢して星2つ(**)の評価としてみました。もちろん、1着があっても不思議ではないと思います。



お付き合いくださいまして、ありがとうございました。